みなさんは「ホホバオイル」というものをご存知でしょうか。「ホホバオイル」とは、主に北米の過酷な乾燥地帯(アリゾナ南部、カリフォルニア、メキシコ北部一帯)に生息している植物「ホホバ」の実から抽出される天然成分のことで、『万能のオイル』とも呼ばれています。
「ホホバオイル」は医療で使われることも多く、皮膚科のヤケド治療、アトピー性皮膚炎の保湿、人工心臓の潤滑油として使われいます。その他にも医師などが消毒液やラテックス手袋から肌を保護するためや、美容サロンでは、頭皮エステ・育毛剤・スタイリング剤としてだけではなく頭皮改善・育毛効果のメニューとして髪の毛や頭皮の健康改善に使用されています。さらに、人工心臓の潤滑油として使われているだけあって、毒性や副作用が少なく安全性が高いのも特徴です。人体の細胞構造に似た分子構造をしているので皮膚への浸透性が高いのもポイントです。「ホホバオイル」自体が酸化しにくく、バクテリアにも強いため長期保存が可能な点も「ホホバオイル」の利点の一つだと言えるでしょう。数多くあるスキンケアオイルやマッサージオイルの中でも「ホホバオイル」は大変優秀なオイルと言えます。
「ホホバオイル」の髪への効果とは
「ホホバオイル」は万能のオイルと言われているだけあって、非常に使い勝手のいいオイルです。
「ホホバオイル」は、天然オイルの中でも頭皮が分泌する皮脂に近いオイルと言われており、頭皮マッサージに「ホホバオイル」を使用することによって頭皮に十分な皮脂が届いていると錯覚させ、余分な皮脂の分泌を抑制することが出来ます。薄毛や抜け毛は、過剰に分泌された皮脂が頭皮の毛穴に詰まることによって引き起こされる可能性もあるので、「ホホバオイル」によって皮脂の分泌をコントロールすることは薄毛や抜け毛の改善に繋がる可能性があります。また、「ホホバオイル」には頭皮の汚れを溶かしてくれる効果もあり、その上、殺菌効果もあるとされていますので、頭皮の環境をキレイに保つことも出来ます。さらに、「ホホバオイル」には、傷んだ髪の毛を修復する効果もあると言われているので、頭皮や髪の毛にとって最適なオイルと言えるかもしれません。
それに加え「ホホバオイル」が、美容や健康にも効果的と言われているのには、天然トコフェロールという「抗酸化物質」が含まれていることにあります。酸化を引き起こす「活性酸素」は老化現象に大きな影響を与えると言われており、頭皮も例外ではなく「活性酸素」によって酸化してしまうと乾燥、フケ、抜け毛、臭いなどの頭皮トラブルを引き起こしてしまいます。そこで、「抗酸化物質」を含む「ホホバオイル」を使うことによって酸化を防ぎ、頭皮トラブルが引き起こされるのを防ぐことが出来るのです。
また、「ホホバオイル」はオイルですので保湿性が高く、乾燥しやすい頭皮に塗ることで乾燥を防ぎ、フケや痒みを防止することも出来ます。
「AGA(男性型脱毛症)」に効果が期待
「ホホバオイル」は、男性の薄毛の95%を占めている「AGA(男性型脱毛症)」にも効果が期待されています。「AGA(男性型脱毛症)」は、男性ホルモンの一種である「DHT(ジヒドロテストステロン)」によって引き起こされるとされているのですが、「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成には「5α-リダクターゼ」という成分が関わっています。「5α-リダクターゼ」と男性ホルモン「テストステロン」が結びつくことによって「DHT(ジヒドロテストステロン)」が生成されるのですが、ハッキリとは解明されていないものの「ホホバオイル」には、この「5α-リダクターゼ」の働きを抑制する効果があるとされています。
それだけではなく、「ホホバオイル」には「ビタミンE」が豊富に含まれているので、代謝や血流アップの効果もあるとされており、老化を防ぐ「アンチエイジング」にも効果的だと言われています。
「オーガニックホホバ」とは
一口に「ホホバオイル」といっても、その種類は多く、中でも「オーガニック」とそうで無いものには大きな違いがあります。「オーガニック」とは「有機栽培」のことで、化学合成農薬や化学肥料を使わずに、有機肥料などを使って土壌の力で栽培する方法のことを指します。日本で「オーガニック」と認められるには、登録認定機関の認証を受け、認証先を記した「有機JASマーク」の表示が必要ですので、「有機JASマーク」があるかないかで「オーガニック」か、そうでないかを簡単に見分けることが出来ます。
参考:http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html
「オーガニックホホバ」は化学合成農薬や化学肥料を使っていないので、肌に優しく、健康志向の強い日本でのみならず、世界でも人気が高まってきています。
同じ「ホホバオイル」でも種類が違う!?
「ホホバオイル」には、「透明」のオイルと「金色」のオイルの2種類があります。「透明」のオイルは「精製」された「ホホバオイル」で、「金色」のオイルは「未精製」の「ホホバオイル」です。
精製された「ホホバオイル」は、産油量を増やすために熱を加えながらの状態で高圧でプレスするため不純物が多く混ざってしまい仕方なく精製されています。未精製の「ホホバオイル」は、コールドプレスなどで圧搾されているので、不純物が少なくビタミンやミネラルなどの成分が豊富に含まれている上質な「ホホバオイル」になります。「精製オイル」と聞くと、なんとなく高級なオイルのような気がしますが、ビタミンやミネラルなどの成分が未精製のものと比べて失われていますので、せっかく使うのなら未精製の上質な「ホホバオイル」を選んで使うようにしましょう。
「ホホバオイル」の使い方
上記の説明で「ホホバオイル」がいかに優れており、育毛に対して効果を期待することが出来るか分かっていただけたかと思います。ですが、「ホホバオイル」をどうやって使えばいいのか悩んでいる方も少なくないのではないかと思います。そこで、以下の3つの目的別に「ホホバオイル」の使い方を説明していきたいと思います。
頭皮の皮脂の過剰分泌を抑制したい場合
頭皮の皮脂は多すぎると毛穴に詰まって薄毛や抜け毛の原因となってしまいますが、取り除きすぎても皮脂の過剰分泌の原因となってしまい、結果的に薄毛や抜け毛を進行させてしまう可能性があります。「ホホバオイル」や、洗浄力の強いシャンプーなどを使った後は、「ホホバオイル」を頭皮に塗布して皮脂が過剰に分泌されるのを防ぐようにしましょう。ここで気になってくるのが「育毛剤」などとの併用ですが、「ホホバオイル」は「育毛剤」などと併用しても大丈夫です。ただし、「育毛剤」と併用する場合は「ホホバオイル」を頭皮に塗布する前に「育毛剤」などを塗布するようにしてください。先に「ホホバオイル」を塗布してしまうと、「ホホバオイル」が皮脂の代わりを担っているので、水溶性である「育毛剤」などは毛根までしっかりと行き届かない可能性があります。ですので、先に「育毛剤」を塗布し、十分に浸透してから「ホホバオイル」を塗るようにするといいでしょう。
頭皮の毛穴に詰まった汚れを除去したい場合
「ホホバオイル」を使って頭皮の毛穴に詰まった汚れを除去したい場合は、お湯で髪の毛を洗い流した後、シャンプーをする前に「ホホバオイル」を頭皮に適量塗布します。この時、皮脂量の多い箇所や、汚れの多い箇所には多めに塗るといいでしょう。その後、10分程度放置すると、毛穴に詰まった汚れが溶けて浮かび上がってきますので、シャンプーを付けてしっかりと洗い流します。「ホホバオイル」を付けたまま放置するときは、タオルなどを頭に巻いておくとより効果的です。洗い流した後は、頭皮の皮脂が極端に少ない状態になっていますので、タオルドライを行った後に、再び「ホホバオイル」を頭皮に適量塗布します。
前述の通り、頭皮の皮脂は少なすぎても頭皮にとって悪影響を及ぼすので、必ずタオルドライ後は「ホホバオイル」を塗るようにしましょう。「ホホバオイル」を塗って放置する時間は10分程度が目安ですが、頭皮の汚れがひどい場合は長い時間放置しても問題はありません。
乾燥した頭皮に潤いを与えたい場合
乾燥した頭皮に潤いを与えるために「ホホバオイル」を使用する場合は、シャンプーをした後に「ホホバオイル」を塗布します。いつも通りにシャンプーをした後に、35度程度のぬるま湯に「ホホバオイル」を適量混ぜ合わせます。それを頭皮に塗りこむのですが、面倒くさい場合はぬるま湯に直接頭を突っ込んでも構いません。「ホホバオイル」は髪の毛についてしまっても大丈夫で、むしろ美髪効果が期待できるので一緒につけたほうがいいかもしれません。それでもまだ乾燥してしまう方は、髪の毛を乾かした後にも「ホホバオイル」を頭皮に塗布して頭皮マッサージを行うと効果的です。
また、「ホホバオイル」はヘアケアだけでなくスキンケアにも使えますので、その場合は化粧水や保湿クリームに適量「ホホバオイル」を混ぜて使用するといいでしょう。
まとめ
「ホホバオイル」はやはりとても優秀なオイルで、髪や頭皮に多くの効果を期待できそうです。さらに「ホホバオイル」の最大の利点は意外と安価で購入することのできるというところにあります。自宅でのヘアケアにプラスで使用してみてはいかがでしょうか。