最近薄毛が気になる。育毛のことを考えたら、食事を制限しないといけない。特に糖分の摂取量に気を使わなければいけない。でも、甘いものは食べたい。そんな甘党の方に朗報です。みんなが大好きな「チョコレート」には、実は育毛効果があったのです。
「チョコレート」に育毛効果があるといわれても、にわかには信じがたいですよね。第一、育毛のことを考えるのであれば糖分の取り過ぎはタブーです。ではなぜ、同じ甘いものの中でも「チョコレート」には育毛効果があるのでしょうか。
育毛効果の秘密はカカオ
今でこそ「チョコレート」はお菓子であり、嗜好品の一種ですが、その昔は大変貴重なもので、薬として飲まれていた時代もあります。
チョコレートの原料であるカカオ豆は、古代メキシコで「テオブローマ」(神の食べ物)と呼ばれ大変貴重なものとされていました。そして、16世紀初め頃のアステカ文明では、薬として飲まれていました。カカオ豆をドロドロになるまで すりつぶした飲み物を「エクソコアルト」と呼び、これは とうもろこしの粉やバニラ、トウガラシなどのスパイスを 加えたもので相当苦く、不老長寿の薬とされ、アステカの皇帝モンテスマは 黄金のカップで1日に50杯も飲んでいたそうです。
「チョコレート」の育毛効果、その秘密はチョコレートに含まれている「カカオ」です。「カカオ」には、ワインや緑茶に含まれる「ポリフェノール」の仲間である「カカオポリフェノール」という成分が含まれています。
カカオポリフェノール
「カカオ」に含まれる「カカオポリフェノール」には下記のような身体に良い効果がたくさんあることが分かっています。
IGF-1の増加
「カカオポリフェノール」には、育毛に有効な「IGF-1」を増加させる効果があることが臨床実験によって証明されています。「IGF-1」は、別名「インスリン様成長因子」とも呼ばれており「インシュリン」と似た構造を持った因子です。ヘアサイクルの成長期を長く、退行期を短くする効果があり、毛乳頭に働きかけ、止まっていた髪の成長を復活させることが出来ます。なお、体内の「IGF-1」は30歳を過ぎるころから減少していくと言われていますので、外部から増やしてあげる必要があります。
活性酸素の除去
「活性酸素」は老化や病気の原因の90%を占めると言われており、薄毛や抜け毛の原因にもなると言われています。「活性酸素」が増えると髪の毛を生み出している「毛母細胞」の働きが抑制され、ハリ・コシのない弱い髪の毛になってしまい、薄毛や抜け毛が引き起こされてしまいます。なお、「活性酸素」はストレスの他にも、呼吸によって血液中に取り込んだ酸素の2%、紫外線、激しい運動によっても発生してしまいます。
「カカオポリフェノール」には、強い抗酸化作用があるので、摂取することで頭皮にダメージを与える「活性酸素」を除去することが出来ます。なお、肌荒れに関する研究では「カカオポリフェノール」を多く含むカカオ製品を12週間摂取したところ、皮膚の角質層に含まれる保湿成分が低下しなかったとともに、紫外線により皮膚が赤くなることも防ぐことができたという研究結果も報告されています。
病原菌の抑制
「カカオポリフェノール」には、胃潰瘍や胃ガンの原因とも言われている「ピロリ菌」や、重い食中毒の原因菌である「大腸菌O-157」を抑える働きがあります。また、毎日「カカオポリフェノール」が含まれているココアを飲み続けている人は、傷の治りが早いことも確認されており、頭皮の炎症や吹き出物などにも効果があるとされています。さらに、「カカオポリフェノール」は、アトピーや花粉症などのアレルギーにも効果があると言われているので、頭皮環境を整えるのにも効果的です。
血行促進
前述の通り「カカオポリフェノール」には、炎症を早く治す効果があります。これは、頭皮や皮膚のみではなく、血管の炎症にも当てはまります。なんらかの理由で血管内に炎症が起きると、血管が狭くなり、血液の流れが悪くなることから、血圧が上昇すると言われています。「カカオポリフェノール」によって、血管内の炎症が抑えられれば、血流環境も改善され、血行の促進にも繋がります。育毛にとって血行促進は重要な要素なので、こういった面でも「カカオポリフェノール」は育毛に適しているとされています。
ストレスの解消
育毛にとってストレスは大敵で、ストレスにより緊張状態が続くと、自律神経を乱したり、血流環境が悪くなってしまいます。そうなると、一気に薄毛が進行してしまうこともあり、健康にとっても、育毛にとってもストレス対策は怠ってはいけません。「カカオポリフェノール」を、ストレス状態にあるラットに与えたところ、ストレスにうまく適応できることが確認されており、心理的なストレスにおいても、抵抗力が強くなると報告されています。
チョコレートを選ぶ注意点
スーパーなどで販売されているチョコレートの多くは、カカオを少なくして、精製された砂糖と動物性乳製品が主体になっており、さらに品質維持のため、乳化剤や硬化剤などの化学添加物も使用されています。砂糖、動物性乳製品、添加物などは、髪の毛や頭皮に悪影響を与えてしまうことがあります。さらに、ホワイトチョコやホワイトチョコをベースにしたフレーバーチョコには「カカオポリフェノール」が含まれていないので、食べたところで意味はありません。
「カカオポリフェノール」は、その名の通り「カカオ」に含まれているので、チョコレートを選ぶ際にはカカオ含有量がポイントとなってきます。同じチョコレートでも、カカオ含有量70%以上のチョコレートがより「カカオポリフェノール」が多く含まれていて育毛に良いとされているので、チョコレートを食べる場合は出来るだけカカオ含有量が70%以上のものを食べるようにしましょう。
まとめ
チョコレートに含まれる「カカオポリフェノール」がどれだけ育毛に効果があるかはお分かりいただけたかと思います。「カカオポリフェノール」は、熱を加えたとしても効果が変わらないのも特徴で、チョコレートドリンクやホットココアなどの温かい飲み物にしても、その効果を得ることが出来るのも嬉しいポイントです。ただし、いくら育毛に効果的だからといっても、脂質や糖質も多く含まれていますので、1日で食べるチョコレートの量は50gを目安にすることをオススメします。育毛に効果があるからといって、食べすぎて薄毛が進行しては意味がないですからね。