突然ですが、薄毛の人には太っている人が多い、もしくは太っている人には薄毛の人が多いというイメージありますよね。実際に肥満は身体に様々な悪影響があり、その悪影響は頭皮や髪の毛にまで及んでしまうので、そのイメージは決して間違いではないかも知れません。
「自分は太ってないから大丈夫」「服のサイズがMサイズだから普通」などとお考えの方もいるかもしれませんが、肥満かどうかは外見だけで判断できるものではありません。判断基準はいくつかありますが、その中でも分かりやすいのが「体脂肪率」の数値です。下記の表が男性、女性の年齢別の標準体脂肪率となっているので、肥満体型かどうかが気になる方は自分の体脂肪率と比べてみてください。
この標準体脂肪率以上の体脂肪率であった場合は「軽肥満」ということになり、さらに標準よりも4%~5%程高い軽肥満の数値も超えてしまうと「肥満」ということになります。ただし、この標準体脂肪率の数値はあくまでも目安で、身長などによっても左右される点にはご注意ください。
肥満が引き起こす薄毛の原因とは
「いい汗」と「悪い汗」
肥満が引き起こす薄毛には「血流」や「汗」が関係しているのですが、その前に実は汗には「いい汗」と「悪い汗」があるのをご存知でしょうか。いわゆる「いい汗」と言われる汗は水のようにサラッとした汗のことで、ミネラルや塩分が含まれていないので雑菌が繁殖しにくくニオイが全くありません。それとは逆に「悪い汗」はベトベトした汗で、ミネラル、塩分、乳酸などが多く含まれており、雑菌が繁殖しやすく、蒸発しにくいのでニオイの元にもなります。肥満の人の汗は、後者の「悪い汗」の場合が多いのですが、これは体脂肪が多く単純に体温が高くなっていることの他に、肥満のため水分の代謝が悪くなっていることが原因だとも言われています。
頭皮には汗腺と皮脂腺が多く、他の身体の部分より多く汗をかきやすいのですが、ミネラル分の多いベトベトの「悪い汗」ばかりをかいていると汗や脂が毛穴やその周囲に貯まり、そこに細菌が異常繁殖して皮膚炎を引き起こします。頭皮が皮膚炎になってしまうと、頭皮湿疹が引き起こされる他、脂漏性脱毛症や粃糠性脱毛症などの脱毛症の原因にもなる可能性があります。
血流環境の悪化
肥満の人は血流環境が悪化し、血行不良を引き起こしてしまっている可能性もあります。肥満になってしまっている人は脂っこい高カロリーのものが大好きですよね。こういったものを日頃から多く食べていると、いわゆる「ドロドロ血液」と呼ばれる血流環境が出来上がってしまいます。髪の毛が成長するために必要な栄養素を頭皮に届けているのは血液ですが、その血液が運ばれるのは「毛細血管」といわれる細い血管なので、ドロドロ血液などで血流環境が悪化するとすぐに十分な栄養素を届けることが出来なくなってしまいます。そうなると、髪の毛は正常に成長することができなくなり”肥満=血流環境の悪化=頭皮の栄養不足=薄毛”という図式が出来上がるのです。
摂取した栄養素が頭皮にまで届かない
肥満になると栄養素が頭皮に送られる前に脂肪として身体に吸収されてしまいます。本来であれば身体中に行き渡るはずの栄養素も、肥満になると脂肪として多くの栄養素が吸収され、栄養の優先順位の低い頭皮には必要な分の栄養素が送られないのです。かと言って、栄養を多く摂取しようといつもより多く食べてしまっては肥満も進行してしまうので、より悪い悪循環に巻き込まれてしまいます。
運動不足
運動をすることで代謝を促し体内の毒素を排出すると共に、「AGA(男性型脱毛症)」の原因である「DHT(ジヒドロテストステロン)」の量を減らすことが出来ます。しかし、肥満体型の方は運動不足の方が多く、太ってしまうと余計に運動するのが面倒になってしまうので、自ら育毛の選択肢を1つ失っていることになります。
ストレス
肥満になってしまっているのは自分の怠惰な生活が原因ですが、このまま太ったままでいいと思っている方は少ないないですよね。また、人よりも汗をかきやすい、人の目が気になる、痩せたいのに痩せることが出来ない、何回やってもダイエットに失敗するなどといったことで日頃からストレスを抱えている方も多いのではないでしょうか。こういったストレスを抱えていると、免疫力が下がり病気になりやすくなったり、血流環境がさらに悪化することもあります。
まとめ
世の中には様々な育毛グッズがありますが、いくら高い効果を期待できる「育毛剤」などを使ったからといって、身体が健康でなければ期待しているほどの効果を得ることは出来ません。薄毛が気になる方で肥満体型の方は、まずダイエットをして痩せ、健康な身体に戻ってみてはいかがでしょうか。ただし、急激なダイエットは栄養不足を招き、逆に薄毛を引き起こしてしまうこともあるので、注意しましょう。