抜け毛、薄毛などの髪の毛の悩みには様々な種類がありますが、その中でも最も悩みをかかえている人が多く、尚且つ改善が難しいと言われているのが、前頭部の生え際から後退してく「M字タイプ」の薄毛です。頭頂部などの薄毛であれば、発毛剤、育毛剤などで改善できますが、生え際が一度後退してしまうと、改善するのは中々厳しいと言わざるを得ません。
改善しにくいとなれば、生え際が後退してしまう理由をしっかり知り、後退してしまう前になんとか対処しておきたいですよね。
生え際の後退は何が原因なのか
生え際が後退してしまう理由には、大きく分けて２つの原因があります。
男性ホルモンが原因の場合
生え際の後退には男性ホルモンが密接に関係しており、男性ホルモンの一種である「DHT（ジヒドロテストステロン）」が原因だと言われていて、「AGA」や「男性型脱毛症」などと呼ばれたりもしています。
「DHT（ジヒドロテストステロン）」は、「テストステロン」という男性ホルモンが、前頭部や頭頂部に存在する「5α還元酵素」と結びつくことによって作られる強力な男性ホルモンです。この「DHT（ジヒドロテストステロン）」が髪の毛の毛乳頭細胞のレセプターと結びつくと、髪の毛の成長が止まってしまいます。
髪の成長が止まったら、さらにこんな症状がでてくるのです！
- Step1 まだ成長途中の柔らかく短い髪の毛まで抜け落ちていく。
- Step2 徐々に産毛のような細い髪の毛が増えていく。
- Step3 どんどんと地肌が露出していく。
- Step4 生え際の後退が進んでいってしまう！
↓
↓↓
↓↓↓
怖いですね～。「DHT（ジヒドロテストステロン）」の作用は、年齢を重ねるごとに強くなっていきますので、歳を取ると薄毛や抜け毛に悩まされやすくなるのは「DHT（ジヒドロテストステロン）」のせいなのです。
お酒の飲みすぎもDHT（ジヒドロテストステロン）が増加
お酒は、適量飲むのは大丈夫ですが、実は大量に飲みすぎると育毛に大きな影響をあたえるのです。アルコールが体内に取り込まれると、アルコールは肝臓で毒性のあるアセトアルデヒドという物質に変わり、そのあと無毒な酢酸に変わります。飲みすぎるとアセトアルデヒドが分解しきれず、体中を回って二日酔いになるのですが、それだけではないのです！アセトアルデヒドはDHT（ジヒドロテストステロン）を増加させ、薄毛が進んでしまうのです！
頭皮の血行不良が原因の場合
意外と知られていない生え際が後退してしまう原因が「血行不良」によるものです。頭皮の血行が悪くなってしまうと、髪の毛が成長するのに必要な栄養素を運んでいる毛細血管の働きが悪くなってしまい、薄毛や抜け毛の原因となってしまうのです。
髪の毛は、毛乳頭や毛母に栄養素が届けられることによって作られています。ですが「ストレス」や「喫煙」などによって血流が悪くなり、毛乳頭や毛母に栄養素が届かなくなると、髪の毛が成長する前に抜け落ちてしまうようになり、どんどん地肌が露出し、生え際の後退が進んでいってしまうのです。
ストレス
ストレスを受け、発散できずに溜め込んでしまうと、自律神経のバランスが崩れてしまい、筋肉が収縮するため血流が悪くなり、血行不良に陥ってしまいます。
喫煙
タバコを吸うとニコチンが体内に摂取されますが、ニコチンには毛細血管を収縮させてしまう作用が含まれているため、血流が悪くなってしまい血行不良に繋がります。
生活習慣病
高血圧、脂質異常症（高脂血症）、糖尿病などの生活習慣病になってしまうと、動脈硬化が進行してしまいます。動脈硬化が進行してしまうと、血液の通り道である血管が狭くなってしまい、身体の血流が悪くなり、血行不良になってしまうのです。
また、生え際はもともと毛細血管が身体の中でも特別少なく、髪の毛が薄くなりやすい箇所なので、ただでさえ少ない毛細血管を更に減らしてしまわないように注意することが大切になります。
以上のようなことが原因で生え際は後退してしまうのですが、後退してしまう大きな原因の一つに男性ホルモンが関係していることから、女性と比べて男性は生え際が後退しやすいと言われていました。しかし、最近の調査では薄毛に悩む女性の4人に1人が生え際の薄毛に対する悩みを抱えているとの結果が出ているのです。
女性も生え際が後退するって本当？
男性にも女性ホルモンがあるように、女性にも男性ホルモンがあるのです。その量は男性と比べると20分の1程度しかない上に、女性ホルモンのエストロゲンによって作用が抑制されているので、女性は男性ホルモンの影響で薄毛になることはないとこれまでは言われてきました。
しかし、近年では、働きに出る女性が増えているため、仕事の忙しさや不規則な生活習慣などによって、心身がともにストレスにさらされ、ホルモンバランスが崩れてしまうことによって女性の男性化が進んでいると言われており、その影響でFAGA（女性男性型脱毛症）に悩む女性が増えてきているのです。
FAGA（女性男性型脱毛症）の最大の原因は、40代頃から始まる更年期による女性ホルモンの減少と言われていています。健康や美容の面の問題とともに髪の毛にも影響が出てくるのです。
ですが、最近では20代や30代の更年期とは関係のない年代の女性でも、ストレスや生活習慣の乱れによってホルモンバランスが崩れてしまい、男性ホルモンの抑制が効かなくなりFAGA（女性男性型脱毛症）に悩む方が増えてきつつあるのです。
女性ホルモンは35歳前後を境に、緩やかにですが減少が始まり、更年期を迎える頃から急激に減少してしまうので、その頃からFAGA（女性男性型脱毛症）に悩まされ始める方が一番多く見受けられます。
しかし、AGA（男性型脱毛症）とは違い、女性のFAGA（女性男性型脱毛症）の場合は女性ホルモンが急激に減少してしまうとはいっても、全くなくなってしまうわけではないので、完全に禿げ上がってしまうということはあまりありません。全体的にスケスケになっていくのです。ただ人によっては生え際が後退してしまうケースもあるのです。
また、更年期を境に急激に減少する女性ホルモンですが、過剰な食事制限などの極端なダイエットや睡眠不足などによっても減少してしまいますので、「更年期まではまだ遠いから」といって安心することは出来ません。
そんな、男性でも女性でも悩みの種となりうる生え際の後退ですが、一度後退が進んでしまうと改善することは中々難しく、頭頂部などとは違い髪の毛を取り戻すことは厳しいと言わざるを得ないのが現状です。
生え際の後退の改善が難しいのはなぜ？
生え際の後退の改善が難しいのには以下の様な理由が関係しています。
- 生え際は毛細血管が少ない
- 生え際の頭皮は皮膚が硬くなりやすい
- 生え際は汗や皮脂の分泌量が多い
- 遺伝
生え際は毛細血管が少ない
前述のとおり、生え際は毛細血管が身体の中でも特別少ない箇所で、育毛剤などを使っても、毛細血管が少ないため育毛剤の成分が髪の毛を成長させる毛乳頭細胞や毛母細胞まで届きにくいのです。
生え際の頭皮は皮膚が硬くなりやすい
おでこはつっぱりやすいので皮膚が硬くなりやすく、生え際の頭皮もおでこと隣接しているため、おでこによって頭皮が引っ張られ、皮膚が硬くなりやすいのです。皮膚が硬くなってしまうと血流が流れにくくなり、血行が悪くなってしまうので、髪の毛が成長しにくくなります。
生え際は汗や皮脂の分泌量が多い
汗や皮脂の分泌量が多い理由にもおでこが関係しているのですが、おでこは汗や皮脂の分泌量が多い箇所で、隣接している生え際もその影響を受け、汗や皮脂の分泌量が多くなっています。汗や皮脂の分泌量が多いと、育毛剤が汗や皮脂に阻まれて浸透しにくく効果が現れにくいのです。
遺伝
生え際が後退してくるM字タイプの薄毛は、遺伝の影響が強いと言われており、遺伝子の操作はできないので改善が難しいと言われています。
生え際の後退を食い止めるには！
生え際が後退していくのには、大きく分けて「男性ホルモン」と「血行不良」です。
ではどうすればいいのか。血行不良は原因となるストレス、喫煙、生活習慣病を改善したり、頭皮マッサージなどで頭皮の血流を促進させて、髪の毛の元である「毛根」に栄養を行き渡らせるようにしましょう。
そして男性ホルモンは、育毛剤やサプリメントを利用し、原因となる「DHT（ジヒドロテストステロン）」を増やさないようにしましょう。ただAGA（男性型脱毛症）の原因である「DHT（ジヒドロテストステロン）」を抑制するのに高い効果が期待できるとされている、プロペシアなどの「フィナステリド」でも、後退してしまった生え際の改善は、中々難しいと言われています。
ただ医薬部外品の育毛剤の中には、生え際に効果があると謳っているものもあります。サプリメントは医薬品とは違いすぐに効果が表れるものではありませんが、AGAの原因を抑えつつ、また育毛のために必要な栄養を補う成分が配合されていれば、生え際からの回復も、ハゲ予防効果も期待できるのではないでしょうか。
まとめ
- 生え際の後退は、大きく分けて「男性ホルモン」と「血行不良」が原因。
- 後退が進まないように生活習慣を改善したり、頭皮マッサージで血行を良くする。
- 「男性ホルモン」の改善には、育毛剤やサプリメントで対策を。ただし、育毛を考えるとサプリメントの栄養補給も大切。
