縁結びや金運、健康運など様々なパワースポットが注目を集めています。実は「育毛」に関してもご利益があるとされる神社やパワースポットがあります。もちろん、神様に祈ったり、パワースポットに行ったからといって髪の毛が生えてくるわけではないのですが、形のないものを信じる心はとても大切だと思います。普段から行っている育毛の息抜きとして、旅行に行くついでにでも、育毛にご利益のある神社やパワースポットを訪れてみてはいかがでしょうか。有名な神社や場所としては下記のようなところがあります。
御髪神社
「御髪神社」は日本で唯一の頭と髪の神社とされており、百人一首にも詠まれている京都・小倉山(嵯峨・嵐山地区)の麓にある神社です。
「髪」すなわち「神」に通ずるものとして、主神の藤原采女亮政之(うねめのすけまさゆき)公を祀り、参拝者からの献髪を納祭した髪塚があり、日々神職により祈拝をうけ毎年御大祭日には、業祖神零祭と髪供養をもって髪より享ける大きな恩恵に感謝しており、薄毛に悩む人や髪の毛にトラブルを抱えている人などが全国から訪れています。
藤原采女亮政之公は藤原鎌足の子孫にあたる人物で、鎌倉時代に幕府の「髪結い」として活躍しました。亀山天皇(1259~1274年)の時代、京都御所の警護職をしていた父・基晴が、御所より預かっていた宝刀「九王丸」を無くしてしまいました。この宝刀を探すために諸国行脚の旅に出ることになった基晴は、お供として政之を同行させました。基晴と政之は、宝刀が元寇に備えるために武士が大勢集まる下関にあるとにらみ、下関での生計を立てるために、武士らを相手に髪結所を開設しました。これが日本最初の理美容業と言われています。店には、「床の間」があり、床の間には亀山天皇を祀る祭壇および藤原家の掛け軸があったことから「床屋」と呼ばれるようになり、これが「床屋」の起源とされています。政之の髪結いの技術はとても評判が良く、その評判は幕府にまで届き、基晴の死後、政之は鎌倉に移り住み、幕府御用達の髪結師として重宝されました。なお、これらの史実から、日本の理容業界では、昭和の初めごろまで、政之の命日である17日を休業日としていました。このようなことから、藤原采女亮政之公は日本における理美容業の祖といわれています。
また、「御髪神社」の境内に建てられている「髪塚」と呼ばれる石碑には、願い事をかけた髪の毛を献納袋に入れて納めるとご利益があると言われており、藤原采女亮政之公の命日にちなんで4月17日を春の大祭、11月17日を秋の大祭として、髪の毛に感謝をこめる業祖神奉祭(ぎょうそしんほうさい)と髪供養が行われています。「御髪神社」には、理美容業界の方や髪の毛に悩みのある方などが多く訪れていて、髪の毛に対する熱い思いが書かれた絵馬が奉納されるなど、日本で唯一の頭と髪の神社として非常に話題になっており、可愛らしい櫛の形をしたお守りなどを受けることもできます。
アクセス方法
京都市右京区嵯峨小倉山田淵山町10-2
(トロッコ嵐山駅前)
関神社(王子神社)
関神社」は「王子神社」の境内にある神社で、延喜帝の第4皇子であり、琵琶の名手で和歌に長けた人物としても知られ「これやこの 行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関」という有名な歌も残っていて、百人一首などで知られる歌人・蝉丸法師、逆髪姫、古屋美女が祀られています。祭神の一人である蝉丸法師は、逆毛に悩む姉のために侍女の古屋美女に命じて初めて「かもじ」と呼ばれる「かつら」を考案したことから「髪」の祖神といわれており、理髪業界から特に信仰を集めていて、理容師さんや美容師さんなどの理容業界の人をはじめ、近年では薄毛や頭髪に関する悩みを抱えた人も多く祈願に訪れています。
また、関神社がある王子神社は、平安時代から存在していたといわれている古い歴史のある神社で、関神社の境内には、理容、美容業、かつら屋さんなどが髪の供養と恩返しから、昭和36年に建てられた毛髪報恩のための毛塚も存在していて、髪に悩む方も大勢お詣りされているようです。
アクセス方法
東京都北区王子本町1-1-12
JR京浜東北線「王子駅」(北口)から徒歩2分ぐらい
東京メトロ南北線「王子駅」(3番出口)徒歩3分ぐらい
都電荒川線「王子駅」から徒歩3分ぐらい
髪授神祠
香川県高松市の氏神である石瀬尾八幡宮の境内にある鉢穴神社横に「髪授神祠(はつじゅしんじ)」は在り、昭和31年4月に建立された祠には、理容の業祖である「北小路采女亮藤原政之」と八百万の神々の中で髪を授ける神とされる「飽昨能宇斯神」が祀られています。
また、髪授神祠の横には切り取った毛髪の供養を行う「毛魂碑」もあり、理容師さんや美容師さんなどの理容業界をはじめ、髪に関する悩みを持っている方などの崇敬を集めています。なお、髪授神祠では、赤ちゃんの毛をお供えすれば、美髪を保ち、若ハゲ・白髪を防止してくれるといわれています。
アクセス方法
香川県高松市宮脇町1-30-3
JR「栗林公園」(北口)から徒歩10分ぐらい
柳井堂心城院
江戸三十三観音第七番札所である「心城院」は、江戸名水「柳の井」があることから「柳井堂(りゅうせいどう)心城院」と称されており、江戸時代の文献「江戸砂子」「御府内備考」「紫の一本(ひともと)」「江戸志」などの「柳の井 男坂下」の項に、「この井は名水にして女の髪を洗えば如何ように結ばれた髪も、はらはらほぐれ垢落ちる。気晴れて、風新柳の髪をけずると云う心にて、柳の井と名付けたり」と記されています。
また、「柳の井」は古来より水枯れもなく、数滴髪に撫でれば水が垢を落とすが如く、髪も心も清浄になり降りかかる厄難を拂ってくれると伝えられていて、この霊水の美髪・厄除けのご利益を求め、日々大勢の参拝者が訪れています。
アクセス方法
東京都文京区湯島3-32-4
東京メトロ千代田線「湯島」駅3番出口より徒歩2分
東京メトロ銀座線「上野広小路」駅A4出口より徒歩8分
都営地下鉄大江戸線「上野御徒町」駅A4出口より徒歩8分
JR「御徒町」駅南口より徒歩10分
都バス 都02系統「湯島3丁目」停留所より徒歩2分
毛替地蔵(島田地蔵寺)
島田地蔵寺」は嘉吉二年(1442年)に福井県の大本山永平寺から樵山和尚が当地に来て「島田山広徳院」として建立した寺で、その中に「毛替地蔵菩薩」と刻んだ石柱が立っています。樵山和尚は元々、鐘崎式部太夫源種国(かねさきしきぶだいゆうみなもとのたねくに)という武士でしたが、出家して多いに禅風を興し、予てより自分の死期を知りその通りに坐禅をしながら亡くなった傑僧と伝えられています。また、東海地方で最古の地蔵尊(掛軸)と恵心僧都御作と伝えられる地蔵尊があり、本尊の阿弥陀如来は定朝作と伝わっています。寺には下記のような逸話があります。
昔、このあたりに熊坂長範(くまさかちょうはん)という大泥棒がいたそうです。ある日、金持ちの馬を盗み、売ろうと馬市に出掛けましたが、見つかって売れません。そこで、お地蔵様に「この馬を何とか売らせて下さい」と一心に願ったそうです。すると一夜にして馬の毛色が変わり、売れども人に怪しまれません。恩義を感じた長範はこのお金を貧しい人に分け与えました。それ依頼、この地蔵様は「毛替地蔵」とよばれるようになったそうです。今も美しい髪を願う人はもとより、子供さんのこと、仕事のことで悩む人々が、このお地蔵様のもとへ数多く訪れています。
出典:島田地蔵寺
アクセス方法
愛知県名古屋市天白区島田3丁目113
まとめ
育毛や髪の毛にご利益のある神社やパワースポットは意外と少なく、住んでいる地域によっては少し遠出しなければいけないかもしれません。しかし、もしかすると参拝することで髪の毛になにか良い兆しが訪れるかもしれませんので、気が向いた時にでも旅行気分で赴いてみてはいかがでしょうか。