この記事を読んでいる方の中には、最近になって薄毛が気になり始めた方もいると思います。薄毛が気になり始めたので、ネットなどで情報を集めようと思うと、専門用語が多すぎて四苦八苦してしまいますよね。そこで、今回は育毛業界でよく使われている専門用語を解説していきたいと思います。育毛業界の専門用語でお困りの方は、この記事を見れば一発で解決。
AGA(男性型脱毛症)
AGAは「Androgenetic Alopecia」の略で、男性の薄毛の殆どがこの「AGA(男性型脱毛症)」だと言われています。「AGA」は頭頂部や生え際から薄くなっていくことが多く、側頭部や後頭部に症状が表れることがほとんどないのが特徴の薄毛です。AGAは進行性の病気なのですが、その進行はとてもゆっくりなので、気がついた時にはAGAが進行してしまっていたということがよくあり、気づいた頃には手遅れになっている可能性もあります。勘違いしている人が多くいるのですが、「AGA」は髪の毛が抜けてしまう病気ではなく、髪の毛が生えてこなくなる病気でもなく、髪の毛が正常に成長しなくなってしまう病気なのです。ですので、「AGA」になったからといって絶望する必要はなく、しっかりと治療をし「AGA」を治すことで、失ってしまった髪の毛を取り戻すことが出来ます。
FAGA(女性男性型脱毛症)
先ほど男性の薄毛の原因の殆どが「AGA(男性型脱毛症)」であるとお伝えしましたが、「AGA」は男性のみの薄毛ではありません。男性よりは圧倒的に少ないですが、女性でも「AGA」が発症してしまう場合があり、女性が発症した「AGA」のことを「FAGA(女性男性型脱毛症)」と言います。昨今は、男性のみでなく女性の方でも薄毛に悩んでいる方が増えてきていますが、女性の薄毛の約半数はこの「FAGA」だと言われています。ただし、男性の「AGA」と違い、女性の「FAGA」の場合は、完全にハゲてしまったり、ツルツルになってしまうことはほとんどありません。
毛根
「毛根(もうこん)」は体毛のうち、皮膚の内部に存在する部分のことで、毛が抜けたときに根元部分に見られる白く丸いのが毛根です。その他の体毛と違い、髪の毛の場合は、毛根が脱毛症や薄毛症と深く関わっていると言われています。また、毛根はまだ生成して間もない毛であり、毛根部分が初めから細いと抜け毛の原因にもなるとされています。
毛母細胞
「毛母細胞(上皮細胞)」は、色素産生細胞である「メラノサイト」とともに「毛母体」を形成している細胞です。毛母細胞は人体中で最も速く分裂する細胞種の一つであり、これが分裂中の細胞を標的とする化学療法や放射線療法によって毛髪が抜ける原因でもあります。
スカルプ
人間の頭皮は、実は以下の5層から成り立っていると言われていて、それぞれの層の頭文字を取って、CMなどでもお馴染みの「SCALP(スカルプ)」という語呂合わせで覚えられています。
- S(Skin):頭皮
- C(connective tissue):結合組織
- A(aponeurosis):帽状腱膜
- L(loose areolar connective tissue):疎性輪紋状結合組織
- P(periosteum):頭蓋骨膜
ちなみに、髪の毛は「SCALP(スカルプ)」の「S」である「S(Skin)」から生えています。
ヘアサイクル
髪の毛には寿命があり、ある一定以上伸びた髪の毛は自然に抜け落ち、新しい髪の毛に生え変ります。この周期のことを「ヘアサイクル」または「毛周期」と呼びます。髪の毛は1日平均0.3ミリのペースで伸び続け、男性なら2~5年、女性なら5~6年の間この状態が続き、この期間のことを「成長期」と言い、この髪の毛が伸び続ける「成長期」を経て、毛根が退化する「退行期」が始まります。毛根が退化する「退行期」から2~3週間後には髪の毛の成長が完全にストップする「休止期」が始まり、その後髪の毛は自然に抜け落ちていきます。一般的には男性の平均で10万本の髪の毛が生えていると言われており、10万本のうち10%にあたる約1万本の髪の毛が「休止期」にあるので、毎日50本~100本の髪の毛が抜け落ちるのは正常な証拠なのです。「ヘアサイクル」に異常が発生しておらず正常な状態であれば、「休止期」を経て髪の毛が抜け落ちた後、2~3カ月後には再び同じ毛穴から髪の毛が生え同じサイクルを辿ることになります。ですが、この「ヘアサイクル」に何らかの異常が発生した場合、髪の毛の成長を抑制する因子が作用することによって「ヘアサイクル」の回転がストップし、薄毛や抜け毛の原因となってしまうのです。
テストストロン
「テストステロン」は、アンドロゲンに属するステロイドホルモンで、男性ホルモンの一種です。男性ホルモンには様々な種類がありますが、この「テストステロン」は精巣でつくられ、最も分泌量が多く、強い作用をもっています。男性ホルモンの影響といわれるものは、ほぼテストステロンの影響といっても過言ではなく、骨格や筋肉などを強化してたくましい肉体を形成し、生殖機能を向上させているのも「テストステロン」です。また、その他にも、ストレス処理を促し精神の安定を保つことや「幸福感」をもたらすドーパミンの産生、集中力、記憶力の向上などにも関係しています。さらに、身体面でも血管を若く保つ働きをもち生活習慣病のリスクを下げたりとを心身の健康に関わる重要な男性ホルモンです。
ジヒドロテストステロン
「ジヒドロテストステロン(DHT)」は、男性ホルモン「テストテトロン」が、前頭部や頭頂部に存在する「5αリダクターゼ」と結びつくことによって作られる強力な男性ホルモンで、この「ジヒドロテストステロン」が髪の毛の毛乳頭細胞のレセプターと結びつくと、髪の毛の成長が止まってしまいます。
「AGA(男性型脱毛症)」は、この「ジヒドロテストステロン」が原因とされており、年齢を重ねるごとに「ジヒドロテストステロン」の作用は強くなっていきますので、歳を取ると薄毛や抜け毛に悩まされやすくなるのは「ジヒドロテストステロン」のせいだとされています。
5αリダクターゼ
「5αリダクターゼ」は、男性ホルモン「テストステロン」を、より強力な男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」に変換する酵素です。また、「5αリダクターゼ」には、1型と2型があり、2型の「5αリダクターゼ」がより強力な「ジヒドロテストステロン」を生成すると言われています。「AGA(男性型脱毛症)」は、この「ジヒドロテストステロン」が原因とされており、毛乳頭細胞に存在する男性ホルモン受容体と結び付くことで、髪の毛の正常なサイクルを狂わせてしまうとされています。
1型「5αリダクターゼ」は全身の側頭部と後頭部の皮脂腺に、2型「5αリダクターゼ」は前立腺と前頭部から頭頂部の毛乳頭に存在しています。1型「5αリダクターゼ」は、皮脂腺に多く存在しているため、皮脂の分泌が多く、肌が脂っぽい人は1型「5αリダクターゼ」の分泌が多く、2型「5αリダクターゼ」は毛乳頭に多く存在しているので、髭や体毛が濃い人は、2型「5αリダクターゼ」の分泌が多いと言われています。また、2型「5αリダクターゼ」が多く存在している前頭部や頭頂部が薄毛なってしまっていると、その薄毛は2型「5αリダクターゼ」の影響を受けているということになります。
ミノキシジル
「ミノキシジル」は、毛乳頭細胞に働きかけ、アデノシンの産生を介して血管内皮細胞増殖因子の分泌を促進することで、毛乳頭細胞に至る血流を改善し、毛髪を直接太くする医薬品です。また、元来「ミノキシジル」は高血圧の治療薬として用いられていましたが、副作用として毛髪の増加が認められたことから現在頭髪治療に応用されています。しかし、強力な医薬品故に、下記のような重大な副作用が現れる可能性もあります。
ミノキシジルの主な副作用
- 低血圧
- 肌荒れ・ニキビ
- 多毛症
- 性欲減衰・性的不能
ミノキシジルを使用して副作用が現れる可能性は約2%程度と言われており、ほとんどの場合は副作用の症状が現れることなく育毛の効果を実感することができますが、育毛剤に含まれているミノキシジルの量は育毛剤によって様々で、副作用が現れる確率が約2%程度というのは、育毛剤に含まれているミノキシジルの量が1%の場合に限ります。なお、最近では、より育毛効果が実感できることから、ミノキシジルを5%含んだものが主流となってきており、ミノキシジルが5%含まれている育毛剤の場合、副作用が現れる確率は約9%程度にまで跳ね上がってしまいます。また、ミノキシジルが10%含まれたものや、15%含まれたものも出回っていましたが、アメリカ食品医薬品局(FDA)が高濃度のものは安全性が確認されていないことを理由に、発売の中止と製品回収を指示し、現在では販売が中止されています。
プロペシア
「プロペシア」は、フィナステリドを主成分とした世界的に有名なAGA治療薬です。使用した方の約75~90%の方が頭皮の変化を実感しているという結果も報告されており、飲む育毛剤とも呼ばれています。「プロペシア」も「ミノキシジル」と同様に、下記のような強力な医薬品故の副作用が懸念されています。
プロペシアの主な副作用
- 性欲減退
- 勃起不全
- 精子の減少
- 射精不全
- 胃の不快感
- 腹痛
- 頭痛
育毛メソセラピー
「育毛メソセラピー」は、レーザーや注射器などを使い、頭皮に直接「ミノキシジル」や「フィナステリド」などの「AGA(男性型脱毛症)」治療薬や、ビタミンなどの育毛効果の期待できる成分を注入する治療方法です。一般的な「育毛メソセラピー」の治療手順は、レーザーを照射して頭皮の血流を促進し、その後に注射器などを使って直接頭皮に育毛成分を注入します。「育毛メソセラピー」の優れているポイントとしては、投薬治療と違い頭皮にピンポイントで育毛成分を行き渡らせることが出来る点や、自毛植毛などのように治療にメスを使わないので不安が少なく、皮膚を切り取ったりする必要などもないので身体への負担が少ない点が挙げられます。また、「育毛メソセラピー」には、脱毛後は長くなってしまっている髪の毛の休止期を短くし、成長期を長くするという目的もあります。さらに、「育毛メソセラピー」は「AGA(男性型脱毛症)」だけではなく、女性の「びまん性脱毛症」や「円形脱毛症」にも高い効果があるとして期待されています。
まとめ
今回は育毛業界でよく使われている専門用語を紹介しました。知っているつもりでも実は間違っていた、なんてこともあります。ネットでは様々な情報が飛び交っています。大切な髪のことなのできちんと理解し、自分に合った育毛を見つけましょう。