最近、髪の毛が薄くなってきた、抜け毛が増えてきたと感じている方、でもまだ大丈夫などと思っていませんか?でもそれは薄毛が徐々に進行している状態で放っておくと大変なことになるかも知れません。頭皮や髪の毛からの危険信号を見逃さないために、まず薄毛の原因を知ることが大切です。
薄毛の原因となるヘアサイクルの異常
実は髪の毛にも寿命があり、ある一定以上伸びた髪の毛は自然に抜け落ち、新しい髪の毛に生え変ります。この周期のことを「ヘアサイクル」または「毛周期」と言います。髪の毛は1日平均0.3ミリのペースで伸び続け、男性なら2~5年、女性なら5~6年の間この状態が続き、この期間のことを「成長期」と言います。この髪の毛が伸び続ける「成長期」を経て、毛根が退化する「退行期」が始まります。毛根が退化する「退行期」から2~3週間後には髪の毛の成長が完全にストップする「休止期」が始まり、その後髪の毛は自然に抜け落ちていきます。一般的には男性の平均で10万本の髪の毛が生えていると言われており、10万本のうち10%にあたる約1万本の髪の毛が「休止期」にあるので、毎日50本~100本の髪の毛が抜け落ちるのは正常な証拠なのです。「ヘアサイクル」に異常が発生しておらず正常な状態であれば、「休止期」を経て髪の毛が抜け落ちた後、2~3カ月後には再び同じ毛穴から髪の毛が生え同じサイクルを辿ることになります。ですが、この「ヘアサイクル」に何らかの異常が発生した場合、髪の毛の成長を抑制する因子が作用することによって「ヘアサイクル」の回転がストップし、薄毛や抜け毛の原因となってしまうのです。
ヘアサイクルが乱れる原因
ヘアサイクルが乱れてしまう原因としては下記のようなものがあり、これらが原因で「ヘアサイクル(毛周期)」に何らかの異常が発生した時に薄毛や抜け毛が進行ししまいます。
- 加齢
- 女性ホルモンの減少
- 睡眠不足
- 血行不良
- 喫煙
- ダイエット
- 環境によるダメージの蓄積
加齢
髪の毛は加齢とともに変化しているので、徐々に細くなっていき、ハリ、コシ、ボリュームがなくなっていきます。髪の太さは35歳頃が、髪の密度は20歳頃がピークだと言われています。
女性ホルモンの減少
女性ホルモンの1つである「エストロゲン」には頭皮のコラーゲン量を増加させて、髪にハリとコシを与え、髪の幹細胞を刺激して成長を促進させる働きがあります。また「プロゲステロン」という女性ホルモンには、髪の成長期を延ばすという働きがあり、この2つが減少してしまうことでヘアサイクルの乱れへと繋がっていくのです。
睡眠不足
日頃から睡眠時間が短かったり、睡眠不足が続くと、夜の髪の毛の成長を邪魔するだけではなく、ストレスなどの原因にもなってしまいます。ストレスが溜まると、自律神経失調になり、それが原因でヘアサイクルの乱れを引き起こしてしまう可能性があります。
血行不良
頭皮には毛細血管が多いので、元々「血行不良」になりやすく、血液が十分に運ばれてこないと、毛母細胞が弱りヘアサイクルの乱れに繋がってしまいます。頭皮のすぐ下には毛細血管が張り巡らされているのですが、血液があまり流れない毛細血管は収縮していき、別の毛細血管を通って血液が流れていくようになります。そうなると、血液があまり流れない毛細血管はどんどんと細くなっていき、最終的には消えてなくなってしまう可能性があります。毛細血管が減ると、さらに血行が悪くなり、毛母細胞に栄養素が届かなくなることでヘアサイクルが乱れてしまうのです。
喫煙
タバコを吸う事によって毛細血管が収縮してしまいます。毛細血管が収縮するということは、頭皮に届くはずでの血液が届かず、髪の毛の成長に必要な栄養素が足りなくなる可能性があります。結果「タバコを吸う → 毛細血管が収縮 → 血行が悪くなる → 血液が流れにくくなる → 頭皮に栄養素が届かない → ヘアサイクルの乱れ」となってしまうのです。
ダイエット
髪の毛が伸びるヘアサイクルの「成長期」には、毛母細胞の分裂が活発になります。しかし、毛母細胞が分裂する際には、血液によって運ばれてくる「酸素」と「栄養素」が大量に必要となります。この時にダイエットで食事を制限してしまっていると、毛母細胞が分裂する際の「栄養素」が不足し、「成長期」なのにも関わらず髪の毛の成長が止まってしまう可能性があるのです。
環境によるダメージの蓄積
これまでに紹介した原因以外に、環境によるダメージの蓄積によってもヘアサイクルは乱れてしまいます。紫外線、乾燥、日焼けなど、環境から受けるダメージは、蓄積することで大きなダメージとなることがあります。
頭皮や髪の毛からのサインを見逃すな
頭皮や髪の毛からの危険信号を見逃していると、気付いた時にはかなり進行してしまっていたということになりかねません。頭皮や髪の毛からのサインには以下の様なものがあります。
- 髪の毛にコシがなくなり、細くなる
- 髪の毛にツヤがなくなり、パサつく
- 髪の毛が赤色っぽくなる
- 洗髪後も頭皮がベタベタする
- 洗髪後もフケがあり痒い
- 頭皮湿疹やニキビが増えた
- 頭皮が火照っている
これらが気になり始めたら「休止期」に入った髪の毛が増えてきたサインです。再び同じ毛穴から髪の毛が生えるように頭皮環境を整えましょう。この時、過剰分泌された皮脂が酸化し毛穴を塞いでしまっている可能性もあります。毛穴が塞がれると排出されるべき皮脂が毛穴の中で脂栓となり毛根の力を弱め、弱く、細く、抜けやすい髪の毛が生えてきてしまいます。
まとめ
育毛の基本は「髪を健康な状態に保ち、本来の寿命よりも早い時期に抜けないようにすること」です。髪が抜けてしまう原因をしっかりと理解し、常に髪の毛が正常に育つようにしておくことが大切です。