最近、抜け毛や薄毛に悩み始めた方は、ネットなどで調べてみた際に育毛製品の種類の多さに戸惑ってしまうのではないでしょうか。そして、そんな数ある育毛製品の中で、気軽に手を出すことが出来るのが「育毛剤」と「育毛トニック」だと思います。しかし、「育毛剤と育毛トニックの違いって何?」という方や、「育毛剤と育毛トニックはどっちを使えばいいの?」という方も少なくはないのでしょうか。そんな方のために、今回は「育毛剤」と「育毛トニック」の違いについて紹介していきたいと思います。
そもそも「育毛トニック」って何?
「育毛剤」は一般的に多く知られていますが、「育毛トニック」は意外とご存じない方が多く「育毛トニックって何?」という方もいるのではないでしょうか。
そもそも、「育毛トニック」という言葉は造語で、正しくは「ヘアトニック」と言います。ですので、「育毛トニック」という呼び方は間違っており、ネットで検索する際などでも「育毛トニック」と検索するとほしい情報が中々出てこないことがあります。
なぜ「ヘアトニック」が「育毛トニック」という間違った呼ばれ方をするようになったのかというと、「ヘアトニック」という名称では売れないと判断した大手化粧品メーカーが、名称を「育毛トニック」に変えることで売れるようになると判断したからです。これだけ聞くと「詐欺」に近いものを感じますが、このような手法は一般消費者を錯覚させるために日頃からよく行われていることなのです。
「ヘアトニック(育毛トニック)」の効果
「ヘアトニック」は、頭髪用の化粧品の一種で、ふけ・頭臭を防いで、頭髪を清潔に保つ効果、かゆみ・蒸れを防いで、頭髪に関する不快症状を消し去る効果、抜け毛を予防し育毛を促進する養毛効果などがあるとされています。また、分類でいうと「化粧品」に入るものが多く、「育毛促進」を謳うことが出来ないものが多いのです。
このように「ヘアトニック」は、頭皮を清潔に保つことで抜け毛を予防し、育毛を促進する養毛効果はありますが、直接髪の毛を生やしてくれるわけではありません。ですので、頭皮の皮脂が原因の薄毛や抜け毛には効果が期待できるかもしれませんが、それ以外の原因の場合にはあまり効果が期待できないものと思われます。
「ヘアトニック」の爽快感は「アルコール成分」
男性の方なら一度くらいは使ったことがあるかもしれませんが、「ヘアトニック」を使うとスッキリとした爽快感を得ることが出来ますよね。実はこの爽快感は、ほとんどの「ヘアトニック」に含まれている「アルコール成分」によるものなのです。というのも、「ヘアトニック」の成分の50%~70%は、水とアルコールで出来ており、「ヘアトニック」を使用した後の爽快感は「アルコール成分」によるもので、頭皮の血行促進などとは全く関係がありません。多くの方が、頭皮の爽快感や清涼感は、血行が促進されたものによるものだと思っていますが、それは「ヘアトニック」などのCMによって刷り込まれたもので、実際は「アルコール」や「メントール」の刺激によるものでしかないのです。
なぜ「アルコール成分」が使われているのかというと、使用後に爽快感を得るためには「アルコール成分」が最適で、なおかつ安く製造することができるので「アルコール成分」は安価な「ヘアトニック」の主成分となっているのです。。ですが、「アルコール成分」は頭皮や髪の毛に必要以上の刺激を与えてしまい、必要な「タンパク質」を奪ってしまうこともあるので、場合によっては「ヘアトニック」を使い続けていると薄毛や抜け毛を誘発してしまう可能性もあるのです。
薄毛や抜け毛に悩んでいる方が「ヘアトニック」を使う場合には、「アルコール成分」が含まれていないアルコールフリーのものを選ぶようにしましょう。アルコールフリーのものは、従来の「ヘアトニック」と比べると、爽快感は少なくなってしまいますが、貴重な髪の毛を失ってしまうことを考えると、頭皮や髪の毛を守るためには仕方のないことなのです。
これらは、育毛効果を謳っている「ヘアトニック」の場合でも同じです。「ヘアトニック」は、含まれている成分で頭皮の環境を清潔に保ち、今ある髪の毛に必要な栄養素を与えてくれるもので、決して髪の毛が生えてくるものではないということを覚えてえおくといいでしょう。
また、「速乾性」を謳っている「ヘアトニック」もありますが、「アルコール成分」の効果と重なって頭皮の乾燥を助長してしまい、頭皮の水分が不足し逆にフケやかゆみの原因となってしまう場合があるので気をつけましょう。
「ヘアトニック」を使う目的
「ヘアトニック」は、あくまでも「ふけ」や「頭臭」を防いで、頭髪を清潔に保つ効果や、「かゆみ」「蒸れ」を防いで、頭髪に関する不快症状を消し去る効果を期待して使用するものであり、発毛効果などを求めて使用するものではありません。そういった効果を得たい場合は「育毛剤」を使用したほうがいいでしょう。
「育毛剤」にはどんな効果が?
「育毛剤」は、抜け毛を予防し、発毛を促すために用いる頭髪用の育毛料のことで、育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後、産後の脱毛、養毛などの効果があり、ビタミンBやビタミンE、生薬などの育毛に効果があると認可されている有効成分が配合されています。
「育毛剤」は「ヘアトニック」とは違い「医薬部外品」に分類されており、医師から処方される「医薬品」の育毛剤もあります。
このように「育毛剤」は、血行を促進し、発毛を促す目的で使用するもので、「ヘアトニック」とは使用目的が全く異なるのです。また、「育毛剤」には血行を促進するものの他に、脱毛の原因となる男性ホルモンを抑制するものや、頭皮の脂肪分や毛穴汚れを除去するものなどもあります。
「ヘアトニック」と「育毛剤」の使用目的の違い
上記のように「ヘアトニック」と「育毛剤」では、使用目的、効果が全く違います。
ヘアトニック
頭皮に爽快感、清涼感を与え、「ふけ」「頭臭」「かゆみ」「蒸れ」を防ぐことによって、頭皮や髪の毛の不快症状を消し去る目的。
- 頭皮を消毒する
- 頭皮に爽快感・清涼感を与える
- 頭皮を乾燥させる
育毛剤
血行の促進や、脱毛の原因となる男性ホルモンを抑制することで、抜け毛、薄毛を予防し、発毛を促す目的。
- 頭皮や髪の毛に栄養を与える
- 頭皮や髪の毛に有効成分を与える
- 頭皮を保護し保湿する
ですので、抜け毛や薄毛に悩み始めてから「ヘアトニック」を使用したのでは効果がありません。逆に「ヘアトニック」に含まれている「アルコール成分」によって、抜け毛や薄毛が進行してしまう可能性もあります。
「ヘアトニック」「育毛剤」それぞれの効果をみると、「育毛剤」で発毛を促し、「ヘアトニック」で頭皮を清潔に保てば一石二鳥ではないかと思いますよね。
しかし、「ヘアトニック」と「育毛剤」の併用は決してオススメできるものではありません。というよりも、髪の毛の量が減ってきて、薄毛や抜け毛で悩み始めた方は「ヘアトニック」の使用は控えたほうがいいでしょう。
発毛の促進でも、薄毛の予防でも「ヘアトニック」よりも「育毛剤」の方が圧倒的に効果が期待できるので、抜け毛や薄毛に悩み始めた方は、安いからといって「ヘアトニック」を使うのではなく「育毛剤」を使うようにしましょう。
「ヘアトニック」と「育毛剤」の見分け方
育毛効果を謳っている商品の中にも「ヘアトニック」に分類されるものは潜んでいます。それだけではなく「育毛剤」として宣伝している商品の中にも「ヘアトニック」は潜んでいるのです。
成分表の1番目から3番目に注目
商品の成分表は、含まれている割合の多い順番に表記されているのをご存知でしょうか。
前述したとおり「ヘアトニック」の成分の50%~70%は水とアルコールで出来ていますので、成分表の1番目から3番目までに水とアルコール(エタノールなど)が記載されていたら、その商品は「ヘアトニック」ということになります。
堂々と「育毛剤」として宣伝していたり、育毛剤ランキングに入っている商品の中にも「ヘアトニック」が含まれていることがありますので、「育毛剤」を買う際には十分に注意して購入するようにしてください。
このような商品は、男性用の「育毛剤」よりも、女性用の「育毛剤」に多くみられます。
「ヘアトニック」は1本1,000円程度で買うことの出来る安価なものも多く売られているので、「育毛剤」と比べると気軽に手を出すことが出来るのですが、抜け毛や薄毛で悩んでいる方には効果がないどころか、逆効果となってしまうこともあるので、安いからといって使用するのはやめておきましょう。
それに比べて「育毛剤」は、値段が高くなってしまうデメリットは有りますが、「ヘアトニック」よりも圧倒的に抜け毛、薄毛を予防することができ、商品によっては発毛を促進することも出来ますので、本気で髪の毛の悩みを解決したい方は「育毛剤」を使用するようにしましょう。
また、抜け毛、薄毛の原因が「AGA(男性型脱毛症)」の場合は、頭皮や髪の毛の環境によって改善できるものではないので、「育毛剤」であっても頭皮環境を整えるタイプの育毛剤では、あまり効果を期待することは出来ないでしょう。そういった方は「AGA(男性型脱毛症)」を専門に取り扱っている「AGAクリニック」に通院するか、「AGA(男性型脱毛症)」に効果のある成分を含んでいる「育毛剤」や「育毛サプリメント」などをオススメします。
まとめ
- 「育毛トニック」は「ヘアトニック」のことである。
- 「ヘアトニック」は頭皮に爽快感、清涼感を与え、「ふけ」「頭臭」「かゆみ」「蒸れ」を防ぐことによって、頭皮や髪の毛の不快症状を消し去る目的。
- 「育毛剤」血行の促進や、脱毛の原因となる男性ホルモンを抑制することで、抜け毛、薄毛を予防し、発毛を促す目的。