薄毛や抜け毛は、日本のみならず世界共通の悩みで、日本では入手が難しい治療薬なども販売されています。その中でも有名なのでが「AGA(男性型脱毛症)」の有効成分「フィナステリド」が含まれており、世界中で利用者が多いAGA治療薬「フィンペシア」です。「フィンペシア」がなぜ日本での入手が難しいかというと、単純に厚生労働省に認可されていないからです。
日本は海外からの新薬承認に時間がかかる傾向にあり、副作用の問題や専門的な観点から長期間未承認のままの「ドラックラグ」についてはAGAの治療薬に限らずよく耳にする話題だと思います。しかし、日本の厚生労働省で認可されていないからといって日本で入手・使用が出来ないわけではありません。
薬の個人輸入
厚生労働省で認可されていない治療薬は個人輸入という形で手に入れることができ、厚生労働省は、患者の自己責任、負担のもと、直接海外の業者から購入することを許可しています。ですが、大量に仕入れて、自分で使用するのではなく、販売したり、譲渡したりするのは違法とされており、あくまでも個人的に使用する目的で必要な数量だけ注文する事が許可されているだけです。これらの決まりは「薬事法」によって定められているのですが、この「薬事法」があるためAmazonや楽天市場などの大手通販サイトで、海外のAGAや薄毛の治療薬を購入することが出来ないようになっています。
通常は個人輸入をする際には、個々の注文書に基づいて、必要な数量の医薬品を個人宅へ宅配してくれる専門業者を利用することになります。そこで、注意したいのが購入する際の個人輸入代行業者選びです。海外から取り寄せる必要のある医薬品には、偽物が混じっていることがあり、全世界の流通品のおよそ1割程度が偽物だと言われています。素性がわからず、得体のしれない個人輸入代行業者から購入してしまうと、偽物の訳の分からない薬を掴まされる可能性があり、その薬を偽物だと気付かずに服用してしまうと、取り返しのつかない副作用に襲われてしまう可能性があります。Amazonや楽天市場などの大手通販サイトで売られているものでも違法のものがあります。軽い気持ちで購入してしまうと取り返しの付かないことになってしまう可能性がありますので注意するようにしましょう。
アメリカの「リアップ」的存在「ロゲイン」
「ロゲイン」は、世界売り上げ1位であるアメリカの製薬会社「ファイザー社」が販売している育毛剤で、アメリカではドラッグストアなどで販売されていますが、日本では個人輸入でないと手に入れることができません。
一方「リアップ」は、1999年に大正製薬から発売された育毛剤で、今でもCM放送されていることもあり、非常に人気のある育毛剤です。
その人気ぶりは、一時期は品薄状態になった程だといえばお分かりいただけるのではないでしょうか。
アメリカと日本を代表する程の認知度である「ロゲイン」と「リアップ」ですが、この2つには大きな共通点があります。
ミノキシジルを配合
「ミノキシジル」は元々、高血圧の方の為の「血圧降下剤」として開発されました。「ミノキシジル」は血圧を下げるために、血管を拡張させ、血流を良くする働きがあり、開発の過程で発毛効果が発見されたため「AGA(男性型脱毛症)」の治療薬として用いられるようになった成分です。
「ロゲイン」と「リアップ」には、この「ミノキシジル」が5%含まれており、一般用医薬品として認められているので、薄毛や抜け毛に対して高い効果を期待することが出来ます。さらに、「ロゲイン」は「リアップ」より格段に安く、「リアップ」が1本7,000円程度の価格なのに対して、「ロゲイン」は1本3,000円程度の価格で購入することが出来ます。このことから、日本で「ミノキシジル」が配合された「リアップ」が発売された後も、個人輸入で「ロゲイン」が購入され続けているのです。
副作用
しかし、薄毛の有効成分として注目されている「ミノキシジル」や「フィナステリド」には大きな副作用があります。そもそも、「ミノキシジル」や「フィナステリド」は薄毛の治療薬として開発されたものではありません。
「ミノキシジル」は元々、高血圧の方の為の「血圧降下剤」として開発されました。「ミノキシジル」の血圧を下げる作用には、血管を拡張させ、血流を良くする働きがあります。さらに、開発の過程で発毛効果が発見されたため「AGA(男性型脱毛症)」の治療薬として用いられるようになりました。
「フィナステリド」は「プロペシア」という薬の主成分なのですが、「プロペシア」も「ミノキシジル」と同じく、最初から薄毛の治療薬として開発されたわけではありません。「プロペシア」は、前立腺肥大症に対する薬として開発が進められている過程で、被験者に発毛効果があったことから薄毛の治療薬として用いられるようになりました。そういった薬を発毛効果があるからといって、育毛目的で使用しているだけなので副作用があって当たり前なのです。「ミノキシジル」や「フィナステリド」の代表的な副作用としては以下の様な症状が挙げられます。
ミノキシジルの代表的な副作用
- 低血圧
- 心筋梗塞
- 多毛症
- 肌荒れ・ニキビ
- 性欲減退・性的不能
- 局所発熱
- 奇形児
- めまい
- かぶれ
フィナステリドの代表的な副作用
- 精力低下
- 勃起不全(ED)
- 肝機能障害
- 不妊
- 女性化
- ガン
- うつ
- 肥満
- めまい
- 発疹などの過敏症
このように、個人輸入で手に入れることのできる「ミノキシジル」や「フィナステリド」には大きな副作用が付きまといます。また、日本では頭皮に塗布する育毛剤タイプの「ミノキシジル」しか販売されていませんが、海外では通称「ミノタブ」と呼ばれる、飲むタイプの「ミノキシジル(ミノキシジルタブレット)」も販売されています。この「ミノキシジル(ミノキシジルタブレット)」は、日本でも個人輸入代行などを使って手に入れることができますが、実は「ミノタブ(ミノキシジルタブレット)」を育毛目的で許可している国は存在しないということを覚えておいた方がいいでしょう。「ミノタブ(ミノキシジルタブレット)」は、「ミノキシジル」の本来の目的である「血圧降下剤」として販売されており、それを育毛目的で勝手に使っているだけなので高いリスクがあり、服用には非常に危険が付きまといます。
ミノタブ(ミノキシジルタブレット)の代表的な副作用
- 眠気
- 肌荒れ・ニキビ
- むくみ
- 体重増加
- 動悸
- 倦怠感
- めまい
- 不整脈
- 多毛症
- 低血圧
さらに、「ミノタブ(ミノキシジルタブレット)」の服用には制約が多く、他の血圧を下げる薬を服用している場合、低血圧の場合、アルコールを摂取している場合などに服用してしまうと重篤な副作用が引き起こされる可能性があります。また、早く髪の毛を生やしたいからといって、用法・用量を守らずに一度に多く服用すると副作用が引き起こされる可能性も高くなり、下手をすると命の危険にさらされてしまうこともあります。
「ミノキシジル」の副作用の例としては、「ロゲイン」の開発段階で3名、市販化された「リアップ」の使用中に3名(1999年末の時点)が薬品との因果関係は不明としながらも循環器疾患で死亡しています。さらに、1999年の発売当初から2003年までに循環器系の副作用が500例寄せられている事も厚生労働省からの答弁書で明らかにされています。また、「ミノキシジル」は、AGA治療向けの内服薬として開発が行われていましたが、イヌを使った動物実験の結果、心臓破裂で死亡した例があり、内服薬としての開発は中止されています。
まとめ
今は個人輸入代行サービスがあるので、海外の育毛剤などを簡単に購入できるようになっています。「ロゲイン」などは、大手の製薬会社から販売されているので品質も保たれており、信頼性が高く、高い効果を期待することが出来ます。しかし、成分そのものの副作用は大手製薬会社でもどうすることも出来ないので、出来ることなら命を優先して副作用のある薬を使用しないことをオススメします。
最近では、「ミノキシジル」や「フィナステリド」と同等の効果があり、尚且つ副作用の殆ど無い育毛サプリメントや育毛剤も販売されていますので、薄毛に悩んでいる方にはそちらを使用することをオススメしたいです。「ミノキシジル」や「フィナステリド」を使用してみて、効果を実感できないだけなら良いですが、薄毛が悪化してしまったり、他の病気を発症してしまい命が危険にさらされてしまっては元も子もないので、もしもどうしても使用したい場合は細心の注意を払って、自己責任で使用するようにしましょう。また、個人輸入で購入する際には偽物を掴まされないように注意をすることも必要です。