
人間が薄毛に侵されだしたのは、原始人から人間への進化の過程だと言われています。研究によると今から5万年以上前の人類は、男性ホルモン「テストステロン」の量が多いので体毛が濃く、薄毛になりにくかったと言われています。長い歴史のなかで人類は薄毛とどのように向き合ってきたのでしょうか?その方法を探ると育毛のヒントが隠れているかも知れません。
紀元前1500年頃の育毛法
現在、発見されている育毛に関する資料の中で最も古いものは、紀元前1500年頃の古代エジプトの医学について書かれた「エーベルス・パピルス(Ebers Papyrus)」です。古代エジプトと言われると、ピラミッドを真っ先に思い受かべますよね。しかし、この時代には既に宇宙観、死生観などの様々な文化が栄えていたと言われています。そんな古代エジプトですが、この時代にも「育毛剤」が存在していたと言う記載が「エーベルス・パピルス(Ebers Papyrus)」にはあります。当時、育毛剤として主に使用されていたのは「動物の糞」だったとみられています。具体的には、カバ、ワニ、ライオンなどの糞や脂肪にハチミツなど混ぜたものが育毛剤として利用されていたそうです。実際に薄毛が解消したかどうかは分からないものの、そこまでして薄毛を改善したかったようです。
また、古代ギリシャではオリーブオイルを利用することで頭皮を保湿するという育毛法が実践されており、古代ローマではハトのフンが頭皮にいいとされ、ハトのフンを頭皮に直接塗り込んでいたそうです。動物の脂肪やオリーブオイルが使われていたことを考えると、古代でも現在と同じように薄毛の改善のためには頭皮の保湿が重要と考えられていたのかもしれません。
2世紀頃の育毛法
2世紀のギリシャでは、玉ねぎを使った育毛方法が記録に残っています。ガレノスという医者が書いた「自然の機能について」という本の中には、「玉ねぎを毛のなくなった人の頭にあてると、髪の毛が元通りになる」という記述があるそうです。料理教室を開いている管理栄養士の中川孝子氏によると、玉ねぎには下記のようなパワーが秘められているとのこと。
血小板の凝固を抑え、末梢血管を拡張、血行と代謝を促し、血中の脂質を減らす。血液をサラサラにするアリシンや、肝機能を高めるグルタチオン、強い抗酸化作用で活性酸素を取り除くケルセチンなどが含まれています。
出典 玉ねぎは古代ギリシャ以来の「発毛野菜」だった! | アサ芸プラス
ここで注目したいのがケルセチンです。ケルセチンには強い抗酸化作用があり、アンチエイジングに効果的とされています。玉ねぎの中でも特に皮の部分に多く含まれます。
江戸時代の育毛法
世界的に見れば紀元前1500年以前には育毛が実践されていたことが判明していますが、日本で育毛に注目が集まったのは江戸時代だと言われています。江戸時代と言えば、あの特徴的な髪型「ちょんまげ」が思い浮かびますよね。まげを結うためには、一定量の髪の毛を保っておく必要があったため育毛に注目されたのだと考えられています。そして、この時代に育毛剤として使用されていたのが、みかんやゆず等を使った「柑橘類の精油」です。この「柑橘類の精油」を使うことによって頭皮の保湿、血行促進などが得られ、毛髪が豊かに生える、抜け毛が減ると言われていました。現代にも柑橘エキスを配合した育毛剤がありますが、江戸時代には既に同じようなものが使用されていたのです。
また、江戸時代の「都風俗化粧惇」という本には
「髪の毛の抜けた部分を松葉でこすって血を出し、それにコウモリの黒焼きを胡麻の脂でといたものを塗る」
という育毛法が記載されています。今となっては、全く理解できない見当違いの育毛法ですが、当時は出血させることにより血行促進効果を得られると考えられていたとみられています。
そして、時代が進み「散切り頭をたたいてみれば、文明開化の音がする」などと言われるようになった明治時代に入り、鎖国が解除されたことによって多くの人がまげを切り、西洋的なヘアスタイルになり、外国からシャンプーなどが入ってきたことによって、さらに育毛に対する意識は加速していくことになります。
まとめ
文明の進歩とともに薄毛と向き合ってきた人類。いまでは信じがたい迷信のような方法もありました。医療が進歩し様々な治療薬が開発されている現在、薄毛に悩むことのない未来がやってくるのかも近いかも知れませんね。