育毛効果のある食べ物には様々なものがありますが、今回注目したいのは「にんにく」です。「にんにく」には多くの健康効果があることは誰もが知っていますよね。しかし、意外と知られていないのですが「にんにく」には非常に優秀な育毛効果もあるのです。
スタミナの元とも言われている「にんにく」ですが、そんな「にんにく」の育毛効果とは一体何なのでしょうか。それでは、詳しく説明していきたいと思います。
にんにくの育毛効果
アリシン
「にんにく」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、あの独特なニオイですよね。あのニオイのもととなっているのは「アリシン」という成分で、この「アリシン」こそ「にんにく」のパワーの秘訣なのです。アリシンには、血液の循環を良くするという働きがあります。血液の循環が良くなると頭皮や髪の毛に栄養素を上手く行き渡らせることが出来、育毛へと繋がっていきます。また、アリシンは「チアミン(ビタミンB1)」と結合すると「アリチアミン」という物質に変化し、体内で「ビタミンB1」と同じような働きをします。ビタミンB1は体内に吸収される割合が非常に低いのですが、アリチアミンは体内への吸収率が高く、血液中に長く残る性質があるため、にんにくによるビタミンB1の補給は非常に有効だとされています。
S-アリルシステイン
アリシンの効果だけでも十分な育毛効果を期待することができるのですが、にんにくには「S-アリルシステイン」というアミノ酸も含まれています。このアミノ酸「S-アリルシステイン」には、成長因子「IGF-1」を増加させる働きがあるといわれています。
インスリン様成長因子-1(IGF-1)は、育毛効果や美肌作用、生活習慣病予防作用、抗うつ作用、および認知機能改善作用などの重要なアンチエイジング作用を持っています。しかし、安全にIGF-1を増やす方法は、これまでに、見つかっていませんでした。これまでの血液学の研究成果から、頭皮や胃腸の知覚神経を刺激すると、それぞれ、頭皮の毛根、および頭皮を含んだ全身のIGF-1が増加することが分かりました。この発見を応用して、胃腸の知覚神経を刺激する薬剤の投与や食餌成分の摂取、さらに頭皮の知覚神経を刺激する成分の頭皮への塗布などの新たな薄毛の治療方法を開発して、実際の治療に応用します。
出典:名古屋Kクリニック知覚神経の刺激による育毛のメカニズム
発毛を促進させる成長因子には「IGF」「VEGF」「FGF」などがありますが、その中でも「IGF-1」は、知覚神経を刺激することで増えると言われている成長因子です。元名古屋市立大学大学院教授の岡嶋研二博士によると、にんにくに含まれるアミノ酸「S-アリルシステイン」は、知覚神経を刺激することが明らかになり、動物実験によって「IGF-1」の増加が認められたそうです。また、某クリニックで円形脱毛症の患者30人に、ステロイド軟膏とニンニク抽出液を混ぜたものを、脱毛部にぬって実験を行った結果、半年後には72%の患者さんに変化が見られたそうです。
にんにくのパワー
「にんにく」には育毛に良い成分が含まれていることを説明してきましたが、ここで「にんにく」の健康効果をもう一度おさらいしましょう。
血液の循環をよくする
アリシンを加熱してできる「アホエン」という成分には、強い抗血栓作用やコレステロール抑制作用があります。抗血栓作用やコレステロール抑制作用により、動脈硬化を予防することができるほか、血液をサラサラにする効果も期待できます。また、血行がよくなるため、肩こりや冷え症、神経痛などにも効果があります。
胃腸のはたらきを整える
「にんにく」には、大腸を刺激して便秘や下痢などを改善する整腸作用があります。また、胃の粘膜を刺激して胃液の分泌を促す効果もあるため、消化を促し消化不良の改善にも効果が期待できます。
肝臓を守る
「にんにく」には、肝臓の細胞を活性化して肝臓を守り、肝機能を健康な状態に戻す働きもあります。
血圧の安定
「にんにく」には、脳神経を刺激することによって血圧を安定させる働きがあります。また、血管内のコレステロールや脂肪を分解する働きもあるため、体内の細胞や血液をリフレッシュすることもできます。
上記以外に、「にんにく」には下記のような効果も期待できます。
- 滋養強壮・体力強化に効果がある
- 冷え性の改善に効果的
- 免疫力・スタミナアップ効果
- 高血圧の予防効果が期待できる
- 動脈硬化の予防効果が期待できる
黒にんにくの高い栄養価に注目
>最後に最近注目を集めている「黒にんにく」についてご紹介します。黒にんにくは、通常の白い「にんにく」を高温、高湿という一定の環境に3~4週間置いて、熟成させたものです。通常の「にんにく」でも非常に高い効果を期待することができますが、「黒にんにく」には通常の「にんにく」とは比べ物にならないほどの高い栄養素が含まれています。
- 総アミノ酸が1.5倍
- 総ポリフェノールが6倍
- アミノ酸「アルギニン」が3倍
- S-アリルシステインが16倍
前述の通り、「アミノ酸」や「S-アリルシステイン」は育毛へと直結しています。そんな「アミノ酸」や「S-アリルシステイン」が大幅に増加しているということは、通常の「にんにく」よりも「黒にんにく」の方が育毛効果が高いと言えます。特に「S-アリルシステイン」が16倍になっているという点は注目すべきポイントです。また「黒にんにく」は熟成することにより糖度が増え、食べた瞬間は甘酸っぱい香りが広がり、通常の「にんにく」のような独特なニオイはなくなっており、「にんにく」の香りが苦手な人でも食べることができます。
まとめ
まさに良いことずくめの「にんにく」、その健康効果を食事に取り入れない手はありません。でも摂りすぎは胃腸を壊す恐れがあるので注意しましょう。また香りの強い食材ですので、口臭などで周りに迷惑をかけないように気をつけましょう。